【辞めたい】本当の理由は?二年目の看護師さんへ送る処方箋【10項目チェックリスト付き】
「看護師、辞めたい」
臨床で活躍する看護師さんは誰しも必ず、心のなかで考えたことがあると思います。
医療・福祉分野は「対人支援」であり、求められる倫理観や医療技術など他職種では
分かり得ない考え方もあるように考えられますが、社会人としてのベースは共通する部
分があります。
「仕事、辞めたい」
働く社会人であれば、一度は考えますよね?
そこは看護師さんも同じでは?
仕事内容、お給料、人間関係、待遇面など辞めたい理由はそれぞれです。
看護師は完全に「資格職」であり、看護師資格を活かせなければ「ただの人」です。
どこの業界でも新人時代は悩みも多くあり、離職しやすいのは入社後1年目~3年目と言
われています。
「まず1年間は働こう」と考え実際に過ごすと、年単位で職場のサイクルが分かります。
そこで、
- 今の職場で働き続けるかどうしようか
- 思っていたのと違う
- プレッシャーが多い
- キツイし辞めたい・・・
2年目から特に具体的に「辞めたい」という気持ちがわいてくるものですが、
2年目はまだまだ修行中です。
考えてみて下さい。
「あなたは看護師になり、2年目で業界の全てを知ったのでしょうか?一人前ですか?」
本当の気持ちを知るため、辞める気持ちを固める前に一緒に確認をしましょう。
■目次
▶1-2-1-1-1.QOL向上の考え方が看護観をみえなくすることも
▶2.【辞めたい】看護師二年目で行うチェックリスト【自己理解】
▶2-2.【チェック②】社会人としての考え方【看護師以前のこと】
1.【辞めたい】看護師二年目で考えてしまうのはなぜ?
負の感情は誰しもありますし、嫌なことが続くと気持ちも不安定になります。
浮き沈みの中で「辞めたい」と考えることもあるかもしれませんが、
好きなことをして感情が落ち着くのであれば真意ではない気がします。
ポイントは「切り替えられず、ずっと同じ気持ちが続くのか否か」だと思います。
どういう理由で起きているのかを突き止めることが必要です。
真意になるような理由を掘り下げると、以下の2つとぶつかるのではないでしょうか。
1-1.新人看護師ではあるが社会経験不足で辞めたい
新人看護師2年目で陥りやすいことを挙げてみました。
社会人経験がある方なら、自分をコントロールしながら生活することに苦労は少ないと
思いますが、新社会人は学ぶことも多いです。これをきっかけに考えてみましょう!
1-1-1.メンタルヘルスの問題
働くことは少なからずストレスを感じながらになりますから、ストレスとの付き合い方
も必要です。
- できなかったことでくよくよする
- 「できない」がきっかけですぐ辞めたくなる
- ずっと仕事のことを考えてしまう
上記はよく考え勝ちな内容ですが、オンとオフの切り換えはとても大切です。
あなたの現状はどうでしょうか?
働くことは日々繰り返されるものですから、常に辞めたいという思考があるようでは、
労働者として務まりません。
ずっと仕事ばかりをしている人生は考えられませんよね?
ストレス対策はできていますか?
1-1-2.仕事の基礎が分からない
- 報告連絡相談ができない
- TPOがわきまえられない
社会人として働き方が分からないケースです。
組織に属して働くことは、上司・同僚と連携をとらなくてはなりません。
自分本意の働き方になっていませんか?
好き嫌い、苦手など感情を優先させる働き方では仕事はできません。
業務を行うために苦手な上司や同僚とも連携をとらなくてはなりません。
職場では社会人としての立ち振舞いができていますか?
適切な言葉でコミュニケーションはとれていますか?
同僚との距離感も適切でしょうか?
1-1-3.気持ちの整理方法が分からない
リアルタイムに働きながら気持ちを整理できていますか?
- 悲観的になる(もう人生終わりだ)
- 注意されたことをいつまでも引きずる
- 素直になれない
マイナス思考で働くと良いことはありません。
場合によっては職場の士気を下げたり、チームワークに影響を与えることもあります。
提案や注意されたことは反発せずに、まずは受け入れることが大切です。
指摘や指導も1年目~3年目では当たり前です。一人前からは遠いはず。
何も言われない、相手にされない方が、自分にとっては不利益です。
看護師の総合責任者でもある看護師長が、指導者の先輩看護師やあなたのことを考え
プリセプターを采配している部分があることを考慮しましょう。
先輩看護師に問題がある場合は看護師長に相談することも大切です。
完璧な看護師長はいません。
看護師長もある意味学びながら看護師業務をしているものです。
1-2.看護師二年目でぶつかる現実や状況
社会人ではなく「看護師」という専門職でぶつかる壁もあります。
資格を持つということは責任があります。
机上メインの世界から実技を伴う状況に変わることで悩むことも自然と増えてきます。
1-2-1.大学、専門学科で学んだことが通じない
実際に仕事をしていくと理想と現実のギャップが大きいことに驚きます。
こんな気持ち、ありませんか?
- 学生時代に学んだことが通じない
- 何を考えて看護をすればいいか分からない
学生時代に学ぶ教科書のことは臨床での基礎になるだけで、実際の対応は勤務先や先輩
看護師(上司)からの指導で学ぶことがほとんどだと思います。
「頭がいい = 仕事ができる」とは限りません。
1-2-1-1.環境因子や制度から起こるジレンマ
病院、クリニック、施設などの現場では、患者様をとりまく環境因子が大きいです。
背景として、
- 家族関係が悪い
- お金がない
- 退院先がない
- キーパーソンがいない
など
リアルな生活に直面します。
厚労省の各制度は病気を完治させないことで受けられる恩恵があります。
例えば「介護保険制度」
要介護認定1、要支援2では利用できるサービスに差が生じます
前者であれば「介護保険サービス」、後者であれぼ「介護予防サービス」
となります。
施設サービスを希望する場合は基本的には「前者」です。
1-2-1-1-1.QOL向上の考え方が看護観をみえなくすることも
介護保険を例にしてしまうと、家族の受け入れ状況によっては
介護保険サービスを使える状態の方が、本人・家族にとって生活の質(QOL)を落とさな
いことにも繋がる場合があります。
退院させる、自宅に帰すことが正義ではなく、生活全体を支えていくことが本来のある
べき姿です。
あえて状態を改善させない選択は究極の考え方でもあります。
教科書通りの正義を貫く姿勢も必要になりますが、時には柔軟な思考も求められます。
何が正しいのか分からなくなりますよね。
これが看護観を見えなくする原因です。
1-2-2.職場に慣れない
社会人としてという部分が大きいと思いますが、
職場を起因とする背景として、
- 特有の人間関係に慣れない
- 何をやってもうまくできない
- カンファレンスがキツイ
などではないでしょうか。
仕事のパフォーマンスは背景にある職場環境や人間関係による要因が
関わってきますから、自分をコントロールすることができなければ、
チームで仕事すること自体が苦痛になってしまいます。
患者様はいきなりの入院を余儀なくされるパターンもあります。
自分が職場環境に適応するということは、
患者様の気持ちを理解することにも繋がるのではないでしょうか。
1-2-3.看護師としての重圧
命に関わる資格職であり
- 責任の重圧感(プレッシャー)
- 患者様からのクレーム
この二点は日頃から様々考える場面があると思います。
命に関わる仕事ですが、あまりにも重く受け止めてしまうことで、
逆に仕事のパフォーマンスが低下しミスを誘発することにも繋がります。
プレッシャーを感じすぎることもよくありません。
大切なのは「学ばせていただく」という謙虚な姿勢です。
自信がないことは、回りの力を借りればよいことです。
手を貸してくれない職場であるとすれば、医療事故も多いのではないでしょうか。
患者様も多様化していますので、クレームも様々あると思います。
すべて自分で抱えず、分からないものは「分かりません」と言えていますか?
ケースバイケースですが、患者様に分からないと伝えることは悪いことではないです。
「確認をとってきます。」
この一言で解決するときもあります。
※ただし、基礎的なあいさつ、報告連絡相談ができている場合に限ります
1-2-4.ブラックな職場環境【看護師あるある】
思っていた看護師像と違うという気持ち。
具体的には
- 始業前の出勤が早い
- 残業が多い
- 職場の雰囲気が悪い
- 先輩もキャパオーバー
など
忙しくないより、忙しい方がありがたいといいますが、
始業前にカルテの確認作業で早めに出勤したり、残業しても残業代が支給されないブラ
ックな要素は医療業界のあるあるだと思います。
先輩達がイライラしていると雰囲気が悪い職場になり、新人がのびのびと働けないこと
もありますよね。
看護師に限らず他の業界でも同じです。上司がイライラしていると気分が悪いし、
人間関係でプレッシャーがかかることはよいことではありません。
自分が想像していた看護師像のギャップを大きく感じてしまう内容だと思います。
ここが辞めるか、辞めないかのポイントになっている方は、
次項のチェックリストで確認していきましょう。
2.【辞めたい】看護師二年目で行うチェックリスト【自己理解】
自己理解するためのチェック項目です。悩んでいることを整理していきましょう。
気付きが得られるはずです。
下記のチェックリストの使い方は
- すべての項目について自問自答する
- 一つでもできていない部分があれば原因を探す
- 現状の自分を考えていく
「できているから良い」ということではありません。
振り返るための手段として利用して頂ければ幸いです。
2-1.【チェック①】看護師業務について
日頃の看護師業務を振り返りながらつけてみましょう。
ちなみに、筆者である私は新人看護師ではありませんが、
同じ医療職として共通する部分がありますので、
下記の項目をあげてみました。
⬜ 患者様に自信を持って入院生活の説明ができる
⬜ 担当病棟の業務を全て把握でき、実行できる
⬜ 職場の理念にもとづいた看護ができる
⬜ 病気を治すこと以外にも、生活の質を考慮した看護計画が立案できる
⬜ 先輩が不在でも、責任をもって病棟業務をこなすことができる
⬜ 簡単なクレーム対応ができる
⬜ 医師に治療方針の情報提供ができる
⬜ 患者様のご家族を考慮した対応ができる
⬜ 急変時に慌てないで対応ができる
⬜ 実習生に指導ができる
いくつチェックがつきましたか?
これらの項目はおおよそ「3年目~5年目」にかけて習得するスキルだと考えられます。
看護師でもリハ職でも共通する部分があります。
項目を埋めることが、目指す具体的な看護師業務です。
ですから、二年目はまだまだ発展途上です。
まずはこれらの項目が全てできるように仕事をしてみましょう。
- 介護支援専門員
- 障がい福祉サービス管理責任者
- 児童発達支援管理責任者
などは
国家資格者で実務経験が求められる資格で、二年目での習得はできません。
視野の広さも必要になりますので、スキルアップをしていくほか道はありません。
看護師二年目はまだまだ入り口でしかありません。
6年目~10年目で考え方も広くなるものです。
できなければ、自問自答してひとつずつ振り返りましょう。
成長するには「振り返り」が必須です。
2-2.【チェック②】社会人としての考え方【看護師以前のこと】
「看護師」としてではなく、社会で働く労働者としての一般的な考え方です。
振り返りをしてみて下さい。
⬜ 先輩からの指導を素直に受けられる
⬜ 報告・連絡・相談ができる
⬜ プロ意識を持ち、笑顔で勤務ができる
⬜ 回りに気を使いながら仕事ができる
⬜ チームワークを大切にできる
⬜ 同僚に注意、指摘ができる
⬜ 5Sを意識して働くことができる
⬜ マナーをわきまえた適切な言葉使いができる
⬜ 目の前のことばかりでなく、回りも見れる
⬜ 感謝の気持ちを忘れずに働ける
いくつチェックがつきましたか?
こちらも看護師2年目で完全にできる人の方が珍しいです。
特に「回りも見れる」という部分は難しいことだと思いますし、「5S」については聞い
たことが無い方がほとんどだと考えられます。
高校(卒) ➡ 看護学校(卒)で歩まれてきた方は、
特にこちらの項目が不十分ではないでしょうか??
働くための基本的なスキルです。不十分であると職場でのコミュニケーション面で摩擦
を生じる原因になることが考えられます。
看護師さんのなかで、人間関係で問題を抱える方は、うまくできていないことが多いよ
うに見受けられます。
しかし、職場全体で不十分であるとすれば「働きにくい職場」だと思います。
居心地の良い職場で無ければ良い看護には結び付きません。
できていなければ、先輩看護師や職場上長に問題があるように考えることもできます。
まずは「自分」、その次に「職場」という順番で振り返ってみてはどうでしょうか?
患者様を評価するように、気にしてみましょう。
仮に職場に問題があれば、信頼できる上長に相談するなり
改善を求める働きかけがベストだと思います。そこまで動いても変わらなければ、
「部署異動」や「職場変更、転職」といいう流れもありだと考えられます。
2-3.【チェック③】仕事と生活のバランス
プライベートとお仕事の関係です。ワークライフバランスをみていきます。
ストレスを管理しながら働くことは、働く社会人として大切なことです。
⬜ 仕事のことを忘れて過ごせる時間がある
⬜ 職場の人と適切な距離感でプライベートも付き合える
⬜ 自分なりのストレス発散方法がある
⬜ 夢中になれる趣味、習い事等がある
⬜ 体調を考慮した食事メニューを心がけている
⬜ 勤務時間以外での学習も時間管理をして行えている
⬜ 寝溜めをしないで生活できている
⬜ 必要に応じて有給取得ができている
⬜ 希望に応じた勤務表が作成されている
⬜ 気持ちを切り替えて過ごせる
いくつチェックがつきましたか?
看護師2年目はまだまだ社会人として管理能力も低いと思います。
一人前ではありませんよね?
人生は働くことだけがすべてではありません。
息抜きも必要です。
あなたが22~24歳であれば、定年まであと30年以上あります。
女性の場合は結婚して家庭に入るという方もいると思いますが、
もしかしたら働き続けなければならないことも考えられますよね?
ずっと働き続けることは疲れることです。
プライベートも充実させることで、お仕事も頑張れると思います。
バランスがとても大切です。
チェックが1~2個で極端に少ない場合は、現状の生活を見直しましょう。
あなたには息抜きが必要なのかもしれません。
1ヶ月ほど、息抜き行動を含めた生活にすると心も楽になるかもしれません。
「希望に応じた勤務表」が出来ていない場合は上長と要相談です。
3.【まとめ】二年目で辞めたいと考える看護師さんへ
看護師2年目は一人前ではありません。
医療・福祉職だと「社会人」として部分が未熟な方もいらっしゃると思います。
社会人2年目でも様々な壁にあたります。
医療・福祉はノルマ制ではありませんが、
一般的な営業職であれば具体的なノルマがあり、インセンティブとして給料に
反映される待遇面もあたり前の世界です。
2年目で苦労されている方は、世の中に沢山いらっしゃることを忘れないで下さい。
看護師は給料に反映されるノルマが無いぶん、職業としては働きやすいと考えることも
できます。(訪問看護は別です)
あなたに贈る処方箋として2つをお伝えします。
3-1.なぜ辞めたいのか原因を探そう
辛い事、嫌なことがあったり、ワークライフバランスが崩れることで、
弱気になったり、落ち込んだりするものです。
大丈夫と思っていたとしても、目にみえないストレスがのしかかっているものです。
大切なのは「何が原因なのかを見つけること」
無くせる原因であれば無くした方が楽になりますが、現状では難しいことが殆どだと
思います。
物理的に対処が難しい場合は、消化方法を変える行動に切り替えます。
3-1-1.処方箋①思考を柔らかくする
必ずこうあるべきだ
こういう思考パターンは限定的で疲れる原因になります。
うまくいかなかった時がストレスです。
考え方は様々あると思えるような訓練が必要です。
常に学ばせていただくという謙虚な姿勢でいれば、自ずと受け止められるようになりま
す。
3-1-2.処方箋②ご褒美を用意する
生活のどこかにモチベーションがあがるようなご褒美をもうける方法です。
辛いこと、嫌なことも報酬があることで乗り越えられます。
小さいことがおすすめです。
例えば、
- カンファレンスが終わったら、夜ご飯はイタリアンレストラン
- 夜勤明けは昼飲みをしてから帰る
- 勤めて二年目記念にアクセサリーを買う
働く意義にも繋がりますので重要な方法です。
3-1-3.処方箋③新しいことをはじめる
マンネリ化すると生活に張りがなくなるものです。
人生はお仕事だけではありません。
余暇時間の過ごし方も生活の中で大切になります。
思いきって何かをはじめてみましょう!
- ヨガ教室
- 料理教室
- YouTuber
- 投資
- 楽器
etc
なんでもOKです。
何かに夢中になると嫌なことも薄れますし、思考の切り替えにもなります。
3-2.辞める=逃げる ではないことを理解しよう
ストレスが引き金で
体に不調をきたすことは誰にでもありますが、
・不眠
・不安
・対人恐怖
・理由がない焦り
など
健康そのものを侵害するような具合になるようであれば、
今の職場にこだわる必要はありません。
看護師資格があれば働く場所には困りませんから、看護師分野を変える転職もできます。
昭和世代の考え方で、ひとつの職場に定年まで在職することは、
令和時代では通じないことになってきています。
医療福祉に限らず他の業種も同じです。
時代と共に、働き方や考え方が変わりつつあります。
転職サイトも沢山あり、退職代行も新しいサービスとして始まっています。
今を生きるために、時代背景にあわせて生きていく方法をとっても良いと思います。
私は人生で4ヵ所目の職場で働いています。
目的がはっきりしていれば、退職は逃げることではありません。
必要なことは自己理解です。
病院以外にもクリニックや施設でも働けます。
転職も悪くはありませんが、正しく自分の気持ちを整理しましょう。
今はしっかりわからなくても、時期がくれば必ず分かります。
あなたの生き方、お仕事をコンサルタントしていきます!
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